著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

白内障が初期でも手術…理由は「老眼鏡をかけたくない」から

公開日: 更新日:

 単焦点レンズはその名が示す通り、遠・近・中のどこかひとつにピントを合わせる眼内レンズ。「遠」、つまり「遠くにピントを合うようにしたい」という場合、近くは見えにくいので老眼鏡が必要です。「近」にピントを合わせれば、老眼鏡は不要になるものの、遠くを見るときは眼鏡が必要になります。この「眼鏡とは縁が切れない」ということを、どう捉えるか。普段はどのような生活習慣で、どんなときに「見えない」という不便を強く感じているのか--。

 たとえば、「遠くが見えずに不便を感じるのは映画館で映画を見るときか車の運転ぐらい。細かな字が見えないことのほうがストレス」という場合。これなら、単焦点レンズを近く用に設定して裸眼で近くが見えるようにしておき、遠くはこれまで通り近眼用の眼鏡を使い続けるというスタイルでいいかと思われます。

 一方、多焦点レンズにすると、前述の通り、遠くから近くまで満遍なく見えるようになるので、一般的に老眼鏡も遠く用の眼鏡も不要になります。

 ただ、「一点だけをくっきりとクリアに見る」という点では、単焦点に劣ります。夜間の見え方の不具合(ハロー・グレア現象)も、多焦点レンズを使用した際に起こりやすいといわれています。自由診療なので、単焦点レンズよりも費用がかかります。

 多焦点レンズにするか、単焦点レンズにするか。迷ったなら「術後、どんな見え方を希望するのか」をまずよく考えてみることがポイントとなります。なお、私のクリニックでは、老眼初期で、老眼鏡をかけたくないという方には、多焦点レンズをお勧めすることが多いです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理