著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「EBM=根拠に基づいた医療」によりクスリの使い方も標準化された

公開日: 更新日:

「EBM」とは、Evidence Based Medicine(エビデンス・ベースド・メディシン)の頭文字をとったもので、日本語にすると「根拠(証拠)に基づいた医療」となります。

 かつての医療は、あの患者はこの方法でうまくいったから今回もこれでいこう……といった感じの「経験に基づいた医療」が主でした。では、なぜ今の主流がEBMになったかというと、すべての患者に最も有効かつ安全な医療を提供するためで、それを実現する指針がEBMなのです。

 Evidenceとは一言でいうと「情報」です。情報にはさまざまなものがありますが、代表的なものとして、研究論文(こちらもさまざまな種類があります)や教科書が挙げられます。こういった情報を集め、批判的吟味を行い、最終的に医療に利用できる指針=EBMが作られます。私も作成に関わったことがありますが、情報量がとても多く作業も大変なものでした。

 EBMにはクスリの使い方も含まれます。がんの化学療法を例に挙げると、以前は経験則に基づいて抗がん剤の組み合わせ方、投与量、吐き気止めなどの副作用対策が決められていました。そのため、病院ごと、主治医ごとにその内容は異なっていました。中には副作用のリスクが高い治療法などもあったと思われます。しかし今はEBMが普及し、すべて根拠に基づいて決められるため、病院や主治医で内容が異なるということはなくなり、誰もが標準的な治療を受けることができるようになりました。

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