著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

命を延ばす薬(1)心不全患者に対する「アルドステロン拮抗薬」

公開日: 更新日:

 また、心筋梗塞を経験した心不全患者6632人を対象とした臨床試験では、アルドステロン拮抗薬である「エプレレノン」という薬を投与すると、プラセボの投与と比べて、心臓病に関連した死亡や入院のリスクが15%、統計学的にも有意に低下しました。

 さらに、臨床試験3件を統合解析した研究論文では、心不全を有する患者にアルドステロン拮抗薬を投与すると、プラセボを投与した場合と比べて、41.3日の延命効果が得られました。

 なお、このデータは3年間の調査期間に基づく解析結果であり、実際の寿命を踏まえると、より長い延命効果が得られるものと考えられます。仮に調査期間と延命効果が比例するのであれば、30年間で413日の延命効果が得られることになります。ただし、この延命効果の見積もりは、単純計算に基づく筆者の仮説にすぎません。

 一方、スピロノラクトンやエプレレノンのようなアルドステロン拮抗薬は、高カリウム血症と呼ばれる副作用が発現しやすく、特にスピロノラクトンでは、高カリウム血症による死亡例も報告されていました。そのような中、高カリウム血症を起こしにくいアルドステロン拮抗薬であるフィネレノンという薬が2022年に承認されています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「24時間テレビ」SixTONES起用もマラソン募金額46%減で“旧ジャニーズ一極集中”は終焉へ

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    NHK出演にSNSでは抗議の声も…彬子女王と伊藤穰一氏をつなぐ「裏千家」とブータン王室の深い関係

  4. 4

    (2)「おニャン子クラブ」の二の舞いを回避した「順位付け」という競争原理はグループを飛躍的に活性化させた

  5. 5

    「タンス預金2000万円」相続税はどうやってバレる? 税務署が追う“亡き親の出金”

  1. 6

    一発で免許停止も…9月から法定速度改正「時速30キロ」生活道路の見分け方

  2. 7

    水前寺清子(1)作詞家・星野哲郎への恩と愛称「チータ」誕生の理由

  3. 8

    自民党内に内閣改造の“タマ”がいない…女性閣僚「目玉不在」に高市首相が“苦悶”

  4. 9

    24時間マラソン完走後にSNSで“陰謀論”が拡散 星野真里に上がった「車移動説」のお粗末

  5. 10

    止まらない「人手不足倒産」…8月は過去最多を記録、もはや“ブラック企業”は成り立たない