著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(2)「健診結果の厳格化」が進み、その流れに抗するのは難しくなる

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 さらに最近では、基準値よりも病気の予防を目的とした「管理目標値」が重要視されるようになってきています。基準値とは、健康な人を大勢集め、測定値の上位と下位の、それぞれ2.5%を除いた値、つまり健康な人の95%が収まる範囲のことです。しかし管理目標値は、通常の基準値よりも厳しく設定されています。

 たとえばLDL(悪玉)コレステロールに関して、数年前まで基準値は65~163mg/dlでした。しかしいまは、管理目標値の60~140mg/dlが、そのまま基準値とされています。つまり140mg/dlを超えたら、動脈硬化などの予防的治療の対象になるというわけです。

 こうした動きに対抗して、「健診結果にあまり神経質になる必要はない」という医師や専門家も少なくありません(筆者もそちら側に組しています)。しかし健診結果の厳格化は、若い世代で支持を集めていますし、製薬メーカーや健康食品メーカーにとってもウェルカム。そうした流れに抗するのは難しくなってきています。(つづく)

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