著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(2)「健診結果の厳格化」が進み、その流れに抗するのは難しくなる

公開日: 更新日:

 CKD(慢性腎臓病)、CLD(慢性肝臓病)、アイフレイルなど、老化に伴う病気の啓発広告は、早めに病院を受診することを人々に促しています。そして、その動機付けとなるのが健康診断です。健診で気になる数値が出た人は、ただちに医者に行きましょう、というわけです。「老化は病気」が世間に広まるにつれて、定期健診の重要性はますます高まっていきます。

 なかでも重要なのが「基準値」です。検査内容がよく分からなくても、基準値をオーバーしていると言われれば、大抵の人は心穏やかではいられません。

 そういうことを狙っているのかは分かりませんが、今年は複数の大学や病院が共同で、メタボの新基準案を発表しました。その中身がなかなか厳しいもので、たとえば腹囲については「男性83cm(現在は85cm)、女性77cm(同90cm)」としています。また中性脂肪も現在の150mg/dl未満を130mg/dl未満にしようと言っています。

 もちろん、この案がすぐに採用されることはないでしょう。しかし多くの学会が基準値の厳格化を提唱し始めています。日本肝臓学会は、2023年6月に「奈良宣言」を発表し、ALTが30U/Lを超えたらかかりつけ医等への受診を推奨しています。また日本高血圧学会は、75歳未満の成人では、診察室血圧130/80mmHg、家庭血圧125/75mmHgを目標値として掲げています(本来の基準値は、それぞれ140/90mmHg、135/85mmHg)。

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