やせる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」サルコペニアが心配な高齢患者に使って大丈夫?

公開日: 更新日:

 血糖値が下がると、体は飢餓状態となりエネルギーバランスが崩れたと判断。不足したグルコースを補うために肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解してグルコースに戻し血糖値を維持する。

■体重当たりの筋肉量割合は増加するとの報告も

 しかし、グリコーゲンの貯蔵も半日から1日で終了するため、異なる栄養素でエネルギーを作り出す回路を発動する。

 そのひとつが中性脂肪の分解(脂肪酸のβ酸化)だ。それと並行して筋肉などのタンパク質が分解されてアミノ酸が放出され、肝臓でグルコースに変換される。これが糖新生だ。

 つまり、SGLT2阻害薬で血糖値が低下すると中性脂肪の分解により脂肪が減少し、糖新生により筋肉が減少する。問題は、どの程度筋肉量が減り、質がどうなるか、だ。

 体重が減少すると体重を支える下肢筋肉量が低下するのは必然だ。

 ただし、SGLT2阻害薬による体重減少は脂肪の減少が大きいため、体重当たりの筋肉量はむしろ増加するとの研究もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    巨人の“お家芸”今オフの「場当たり的補強」はフロント主導…来季もダメなら編成幹部の首が飛ぶ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 5

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  1. 6

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  2. 7

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  3. 8

    米倉涼子に降りかかった2度目の薬物疑惑…元交際相手逮捕も“尿検査シロ”で女優転身に成功した過去

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで