やせる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」サルコペニアが心配な高齢患者に使って大丈夫?

公開日: 更新日:

 糖尿病治療薬である「SGLT2阻害薬」の評価はうなぎ上りだ。血糖コントロールはもちろん、体重減少効果も期待でき、慢性心不全や慢性腎臓病への適応拡大もされている。その一方で、筋肉量の減少に伴って筋力や身体機能が低下した状態を示すサルコペニアへの影響が懸念されている。高齢者への使用をどう考えたらいいのか? 糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。

「サルコペニアは、身体機能の低下のみならず、転倒や骨折のリスクを上昇させ、死亡率をも押し上げる。高齢者は注意すべき病態です」

 筋肉量の低下や筋力不足に悩む高齢者は多い。「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究」によると、日本の高齢者全体で筋量減少者は850万人、筋力低下者は1000万人、身体機能低下者は350万人と推計されている。

 しかも、糖尿病があると、筋線維を取り巻く組織の密集度を表す筋質も低下する。60歳以上の男女1099人を対象にしたROADスタディーによると、サルコペニアの有病率は8.2%で、糖尿病がある人は筋質の低下が顕著だったと報告している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ