(3)ビールを「もう3缶」なのか「まだ3缶」なのか

公開日: 更新日:

「まず、①その時の気分ですが、これが『HALT』に該当します。空腹、怒り、孤独、退屈によって判断に狂いが生じる。孤独で退屈であれば、酒量が増えるのは想像に難しくない。そのため、その時の気分をきちんとセルフチェックすることが大切です」

 では、②言葉の使い方とは何か?

「物事に対してどういった言葉で表現しているか。スマホをいじっている人を『スマホ依存症』と呼ぶか、『一日6時間いじっている人』と呼ぶかでは大きく印象が異なります。前者で呼ばれると、『病院へ行った方がいいのか?』と悩む人もいる。しかし、後者だと違う解釈につながる。言葉の使い方ひとつで、判断の差が生まれる」

 缶ビールを3缶空けた際も、「もう3缶も」と「まだ3缶しか」では、その後、どうするかの判断が変わるため、自分を健全へと導く言葉の使い方を身につけることは大切だろう。次回は、残りの3つについて説明する。 (つづく)

▽山下悠毅(やました・ゆうき) 精神科専門医・精神保健指定医。日本外来精神医療学会理事。近著に『彼らが見ている世界がわかる 依存症の人が「変わる」 接し方

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 3

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    国民民主党“激ヤバ”都議に「免許不携帯」疑惑 日刊ゲンダイの直撃にブチ切れ!【動画あり】

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 9

    シード漏れ“ほぼ確”渋野日向子が10日開幕の国内戦へ…原英莉花や岩井ツインズ、古江らも集結

  5. 10

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…