著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(8)スマートウオッチが医療の大改革を招く可能性がある

公開日: 更新日:

 普段の血圧がどう変化するかは、実はほとんど分かっていないのです。ホルター血圧計という、24時間の血圧変化を記録する機器がありますが、昼間は30分間隔、夜は1時間間隔でしか測定しません。しかも対象となるのは、高血圧や脳血管疾患の患者に限られています。

 ところがウオッチの血圧計が本格的に実用化されると、文字通り24時間連続で血圧をモニターできるようになります。そうして得られた「自然な」血圧の変動と、従来の血圧の基準のあいだにどんな関係があるのか、実は血圧の専門家にも分かりません。ウオッチによって、高血圧や低血圧の定義が変わってしまう可能性すらあり得るということです。

 同様にウオッチによる心電図や心拍数の連続モニターも、いままでの循環器の常識を変えてしまうかもしれません。ホルター心電計は24時間連続で心電図を取ることができますが、不整脈や狭心症などの患者が対象です。ウオッチを使えば、大勢健康な人のデータを集めることが可能になります。そこから、いままで知られていなかった、新しい病気が発見されるかもしれませんし、心臓を守るための生活習慣なども、いまよりも詳しく分かってくるでしょう。

 医療にとっても、ウオッチは大きな変革をもたらすかもしれないのです。 =おわり

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