コメも複雑だが…日本は「クスリ」の流通も複雑怪奇
さて本題です。クスリの流通も信じられないような旧弊が続いています。病院には製薬会社から直接ではなく、仲介業者を経てクスリが納入されます。クスリの値段は薬価という公定価格です。お上が決めています。薬価600円なら患者さんには「600円請求しなさい!」と再販価格を政府が決めています。これって、国による再販価格強制の独占禁止法違反にならないのでしょうか。
さらに大問題があります。驚くべきことに、病院が仕入れるクスリにも消費税がかかります。患者さんに600円のクスリを処方して600円払ってもらっても、病院はそのクスリを仕入れるのに600円必要だとしたら、プラス消費税60円で660円かかっています。60円の赤字です。
実際は卸業者が病院に卸すときにディスカウントしてくれます。10%以上値引きしてもらわないと病院は赤字です。卸業者も製薬会社からそれ以上の金額を値引いてもらっています。その実情は秘密です。商品がどれだけ売り買いされたかでそれらの値引き額は決まるようです。
さらに、ある一定の期間の売り上げに応じてリベート、つまりキックバックが「売った側」から「買った側」に支払われます。時間差で「値引き」してくれるのです。