身近な薬が原因で起こる命に関わる副作用に要注意
風邪薬や抗生物質、痛み止めなど、私たちが日常的に使う薬の中にも、まれに命に関わる重い副作用を起こすものがあります。
そのひとつが「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」です。聞き慣れない名前ですが、発症すると高熱とともに、皮膚や粘膜がただれ、目・口・陰部などがひどく腫れたり水ぶくれができたりします。重症になると皮膚が広範囲にめくれ、失明や肺炎、後遺症を残すこともある非常に深刻な病気です。
原因は詳しくはわかっていませんが、感染症や薬剤などがきっかけとなり、主として皮膚や粘膜に病変が起こると推測されています。薬剤として多いのは、解熱鎮痛薬、抗菌薬、抗てんかん薬などです。総合感冒薬(風邪薬)のような市販薬も原因になることがあります。また、健康な人が突然発症するケースもあり、注意が必要です。
最初は「風邪のような発熱」や「目の充血」「口の中のただれ」など、軽い症状から始まるため見逃しがちですが、このような症状が見られたら、すぐに薬を中止して医療機関を受診することが大切です。特に「目・口・陰部の粘膜」に症状が出た場合にはSJSを疑います。