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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

怒りっぽく物忘れが目立つ78歳男性…信頼関係の構築から始めた

公開日: 更新日:

「診療所の者です」(私)

「俺、診察を受けるって言った?」(患者さん)

「先週お伺いしましたよ」(私)

「本当?」(患者さん)

 ドア越しのやりとりから、訪問診療にあまり積極的ではないご様子が伝わってきました。

「2週間に1度、様子を見に伺おうと思っています」(私)

「そんなに来なくても、必要なときは自分でお願いするから」(患者さん)

「よろしければ、中でお話を伺ってもいいですか?」(私)

「いいよ」(患者さん)

 そうしてようやく鍵を開けていただき、部屋に入ると、先ほどまでの態度とは打って変わって、淡々と質問に答えてくださり、無事に問診を終えることができました。以後は診察のたびに施設の看護師さんと情報を共有し、患者さんの状態を確認しながら微調整を重ねていきました。

「易怒性があって大変なことはありませんか?」(私)

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