怒りっぽく物忘れが目立つ78歳男性…信頼関係の構築から始めた
「診療所の者です」(私)
「俺、診察を受けるって言った?」(患者さん)
「先週お伺いしましたよ」(私)
「本当?」(患者さん)
ドア越しのやりとりから、訪問診療にあまり積極的ではないご様子が伝わってきました。
「2週間に1度、様子を見に伺おうと思っています」(私)
「そんなに来なくても、必要なときは自分でお願いするから」(患者さん)
「よろしければ、中でお話を伺ってもいいですか?」(私)
「いいよ」(患者さん)
そうしてようやく鍵を開けていただき、部屋に入ると、先ほどまでの態度とは打って変わって、淡々と質問に答えてくださり、無事に問診を終えることができました。以後は診察のたびに施設の看護師さんと情報を共有し、患者さんの状態を確認しながら微調整を重ねていきました。
「易怒性があって大変なことはありませんか?」(私)