(2)回復まで4~5年…将来、子どもが欲しいと思っても不妊になる可能性

公開日: 更新日:

「不妊治療では排卵を促すために排卵誘発剤を使います。普通は卵胞刺激ホルモンに働きかける薬で効果を得られますが、過去に摂食障害を経験した患者さんの場合は、それだけではなかなか排卵が見られず、さらに別のホルモン剤(ゴナドトロピン製剤)を使わなければならないことが多いのです」(大石診療科長)

 また、胎盤の形成が悪くなり、胎児発育不全になる可能性が高くなります。

 妊娠・出産以外では、「将来、骨粗しょう症リスクが高まる」と大石診療科長は言います。

「摂食障害で月経が止まり、エストロゲンが分泌されなくなると、骨密度も低下します。エストロゲンは骨の形成と維持に必要なホルモンですが、不足すると骨密度が低下し、骨がスカスカの状態になり、骨折しやすくなるのです。骨密度は20代までに決まるため、そこからはほとんど骨量が増えることはありません。20代までに骨密度の蓄えが十分でないと、高齢になった時に骨粗しょう症のリスクが高まります」(大石診療科長)

 骨粗しょう症の高齢者は要介護や寝たきりになりやすいといわれています。骨粗しょう症により骨折しやすく、それがきっかけで要介護になることが多いのです(厚労省「国民生活基礎調査」令和4年)。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ