著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

医療者は「妊婦」に処方するクスリには毎回とても慎重になる

公開日: 更新日:

 妊娠中に絶対に使ってはいけない薬物は、その添付文書の禁忌事項にしっかり記載されているので、妊婦に処方されることはまずありません。問題なのは、禁忌事項には該当しないクスリを母体の治療に使いたい場合です。ほとんどのクスリの添付文書には、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」という文言が書かれています。つまり、クスリの性質だけでなく、母体・胎児の状態を総合的に考えて処方するかどうかを判断しなければならないのです。

 これまで妊婦に対して多くの使用経験があり、安全性が認められているクスリの場合はそれほど気をつかう必要はありませんが、当然、そういったクスリばかりではありません。また、今は妊娠していなくても、近い将来妊娠を希望しているような女性が現在進行形でクスリを使用している場合には、あらかじめ妊娠に影響を与えにくい同効薬に変更しておくなどの対処も必要になります。

 母体・胎児ともに健康な状態で出産を迎えてもらいたいのは誰しも同じです。そのため、われわれ医療従事者側としても、妊婦に対して処方する(される)クスリについては毎回とても慎重になるところです。市販薬も例外ではありませんので、妊娠中にクスリを使用する際には医師または薬剤師に必ず相談するようにしましょう。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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