(1)善玉菌の「エサ」になる食品を意識して食べる
3つ目は、腸内の「菌のリレー」を円滑にすること。具体的にはビフィズス菌を口から取ることだ。「菌のリレー」については、連載2回目で詳しく説明したい。
「腸内に善玉菌がいるだけや、善玉菌のエサとなる食物繊維を食べるだけでは実はダメで、善玉菌が腸で働いて短鎖脂肪酸などを作り、それが我々の体に健康効果をもたらすことを目指すのが、最新の腸活です」
善玉菌がつくり出す短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)などについては、近年の研究で多くの健康効果があることがわかってきた。
たとえば「酢酸」は、病原菌の殺菌作用や、有害菌・有害物質が体内に侵入しないように腸管のバリアー機能を高めたりする。
「プロピオン酸」は、動脈硬化の原因になる血中コレステロールを減らしたり、アレルギー症状に対する効果があるとして、医薬品としての研究も進められている。
「酪酸」は大腸の上皮細胞の栄養になるなど、酢酸とは違うメカニズムで腸管のバリアー機能を高める。また、免疫が暴走することを防ぐなどの働きがあることが近年わかってきた。
このように体に有用な短鎖脂肪酸だが、人によっては食物繊維を十分に摂取してもあまり産生されないことがある。次回はその解決法「菌のリレーとビフィズス菌」について。 =つづく
(医療ライター・石井悦子)



















