著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

薬剤師がとくに注意している3種類の「検査値」…薬を安全に効かせる

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 また、「電解質」(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)も重要です。ACE阻害薬やARBといった高血圧治療薬では、高カリウム血症の副作用がしばしば問題になります。数値の変化は時に不整脈や意識障害につながり命に関わることもあります。逆に漢方薬の一部では、低カリウム血症が偽アルドステロン症の発見にもつながります。便秘によく用いられる酸化マグネシウムも、時には高Mg血症を引き起こすことがあるのです。

 薬剤師が検査値を意識し、処方監査や服薬指導の場で、患者さんの体の状態を検査値と照らし合わせることにより、薬を「安全に」「効かせる」支援ができるのです。

 一方で、課題もあります。薬局薬剤師は検査値の情報を十分に入手できないことが多いのが現状です。これを埋めるカギが「電子処方箋」や「電子カルテ情報共有サービス」です。患者さんの同意を得て、検査値を薬局薬剤師も参照できる仕組みが広がれば、地域全体での薬物療法の安全性が大きく向上するのではないでしょうか。

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