著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」名誉院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

(4)性感染症をはじめ病気を治せるのは素直な心で癒やしを知る患者

公開日: 更新日:

 例外はある歌手の方。約束にルーズで困りました。治療効果を確かめるために検査を受けるよう指示するのですが、少しも守らない。その後も幾度となく感染して「先生、またお願いします」とやって来るのです。性感染症は治療が完了しないとパートナーへの感染リスクも残ります。こういう人は優しさが足りないな、と感じます。

 私は50年間、さまざまな背景を持つ性感染症の患者さんと向き合ってきました。学んだのは、病気の多くは長い間の積み重ねの結果であり、原因はひとつではないということです。

 同じ人でも体調がおもわしくない時には細菌やウイルスに侵される。逆に元気であれば感染しません。身体的に問題がなくても、強いストレスにさらされていれば病気になる。つまり、病気を治すには体と心の両方をケアしなければならないのです。

 最近は診察室のパソコンで患者のバイタルデータばかりを見て、患者さんの脈はおろか顔すらまともに見ず、薬の処方だけする医師がいると聞きます。それでは、患者さんの体も心も癒やせません。

 患者さんも、病気を治す、健康を維持するには体だけでなく心を癒やすことの大切さを知ってください。人は病気の多くを“弱み”と考えて秘密にしたがります。性感染症は最たるものです。しかし、秘密を抱えること自体、大変なストレスなのです。

 病気を早く治せる人は素直に医師の指示に従うだけでなく、病気の秘密を打ち明けられる相手がいて、心を軽くできる人なのです。その意味でも、何でも話ができる、信頼できるかかりつけ医師を持つことが大切なのです。 =おわり

【連載】100万人を診た 性感染症医の事件簿

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「風、薫る」“シマケン”はブーイングも…Aぇ! Group佐野晶哉には「オファー増」の追い風

  2. 2

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  3. 3

    “世界ランク1位”の座を捨てて甲子園へ 享栄・上江滝拓未「将来はプロかバスの運転手」

  4. 4

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  5. 5

    りくりゅうペア大逆転金メダルを呼んだ“かかあ天下” 木原龍一はリンク内外で三浦璃来を持ち上げていた

  1. 6

    りくりゅう“ジュニア”に早くも金メダル期待 一般家庭の子にはない「血」と「資金」の強み

  2. 7

    高市政権が国民資産「強奪」計画! 現預金1100兆円を狙い撃ち、放漫財政のツケを庶民のフトコロに押しつけ

  3. 8

    ビートたけし&島田洋七「ほとんどリタイア」の現在地…「おお元気か?」と連絡し酒を酌み交わす

  4. 9

    日本ハムは「レイエス流出阻止」が最優先課題 優勝争い&新庄監督の去就以上に重大なワケ

  5. 10

    警察は田岡邸を没収し、兵庫県や神戸市の持ち物にしたらどうだ