(2)這うようにしてトイレに行く母親の姿に唖然
こたつから出るのも、そこから立ち上がるのもどこかにつかまらないとできない。這うようにしてトイレまで行き、ヨッコイショと座る。これでは家の中で再び転ぶだろう。それに食事もまともに作れないはず。何とかしなきゃ。
同時にひとつの疑問も浮かんだ。おかんの寝室は2階だ。昨晩はどこで寝たのだろう。「2階だよ。何とか上れた」。心なしか得意げな顔で答える。こんな状態のくせに何やってるんだ。冗談じゃない!
とはいえ畳の部屋に布団を敷いても立ち上がりに苦労する。そこでベッドマットのみ2つを重ね、ほどよい高さの簡易ベッドをトイレに近い部屋に作って言い含めた。
「今日はここで寝てよ。俺は2階で寝るけど、もしトイレに行きたくなったら携帯を鳴らして起こして。すぐに来るから」
おかんは不満顔をしつつも「わかったよ」と納得してくれた。けれど、翌朝起きて確認したら、やっぱり勝手にトイレに行っていた。もうこのままにしておけないことは明白だった。
まず何から始めるべきか。医療系ライターといえども自分の親のことになると、いまひとつ整理がつかない。そこでまず向かったのは、昨晩のうちに調べておいた最寄りの包括支援センターだった。




















