著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(1)政府のホントの狙いはこれ? 高額医療費の限度額引き上げの意味

公開日: 更新日:

 昨年の年末、片山財務大臣と上野厚生労働大臣の間で「高額療養費の限度額引き上げ」について合意がなされたというニュースが流れました。しかしマスコミがあまり大きく取り上げなかったこともあり、世間的にはほとんど注目されなかったのです。ただ医療界隈にとっては大事件で、いまだにザワついています。

 高市内閣は医療改革、というよりも国民に対する医療費の負担増に積極的で、その目玉といわれていたのが「OTC類似薬の保険外し」でした。ドラッグストアなどで売られている医薬品と同等の成分の薬を、健康保険の対象外とするものです。つまり普通のシップ薬、胃腸薬、解熱薬、鼻炎薬などが健康保険の対象から外される(患者はドラッグストアなどで買わなければならなくなる)わけです。

 これはマスコミの注目を集め、国民の関心も高かったのですが、十分に引っ張ってからあっさりと撤回してしまいました。そして今回の「高額療養費の限度額引き上げ」のカードをそっと切ってきたのです。政府の本当の狙いは、最初からこちらにあったのでしょう。

 高額療養費制度についてはご存じの方も多いと思いますが、限度額引き上げの意味を理解していただくため、簡単に説明します。

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