(1)政府のホントの狙いはこれ? 高額医療費の限度額引き上げの意味
この制度は「医療費の自己負担が家計に過度な負担とならないよう、1カ月あたりの自己負担額に上限(自己負担限度額)を設け、超えた分を大幅に免除する」というものです。超過分については、支払額が1%になります。
具体的な金額は次の計算式で算出します。
患者支払金額=上限額+(総医療費-〈上限額÷0.3〉)×0.01
仮に今月の総医療費を100万円としましょう。入院、手術となれば、簡単にこのくらいの金額になります。上限額は仮に5万円とします。これらを上の式に代入すると、患者支払額は5万8333円となります。医療費を100万円使っても、実際の支払いは6万円に満たないので、ずいぶんお得です。
しかしここで、上限額を10万円に引き上げたとします。すると患者支払額は10万6667円となります。つまり上限額を上げれば、患者の負担が確実に重くなるという仕組みです。
入院などで、たまたま今月だけ医療費が突出したとすれば、この負担増もなんとか我慢できるかもしれません。しかし治療が長引く人にとっては、限度額の引き上げはかなり深刻です。じつは「OTC類似薬の保険外し」よりもはるかに大きな変更なのです。
病気になった人を社会全体で支える国民皆保険制度は、国民の安全、安心の基盤となる日本が誇る仕組みです。それがいま、崩壊に向かおうとしているのです。 =つづく



















