著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(2)限度額引き上げの厚労省案…実質負担が月額3万円近く増える現役世代も

公開日: 更新日:

 高額療養費の限度額を引き上げるといっても、どのくらいになるのでしょうか。片山大臣と上野大臣の合意は、正式な閣議決定ではありません。また国民の負担を増やすような変更は、閣議決定ではなく、国会の承認が必要とされています。ですからこの先どうなるか分かりませんが、気の早い新聞やネット記事には、厚生労働省案が紹介されています。

 それによれば、今年8月から、まず所得区分ごとに上限額を引き上げることになっています。

 限度額は所得に応じて5段階に分かれています。たとえば年収約370万円~約770万円の層(中間層)では8万100円です。それを8月から8万5800円に引き上げるとしています。

「月額5700円の負担増も今後の物価高を考えれば仕方ないか」と思われる人もいるかもしれません。しかし、前回紹介した計算式に代入すると、たとえば総医療費が100万円だった場合の支払額は、7月までは8万7430円、8月からは9万2940円となります。月額は5510円の負担増ですが、がん患者など長期治療を続ける場合は、1年間で6万6120円いまより多く支払う必要があるのです。

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