最期まで自宅で過ごしたい…息子2人が支える老夫婦の覚悟
ただし、この方には高血圧や骨粗しょう症といった高齢者に多い慢性疾患に加え、老年期うつ病もあり、時折、不眠を訴えることもありました。そのため、スタッフが支援するとしても、ご夫婦だけで自立した生活を維持できるのか、正直なところ不安もありました。
しかし、2人の息子さんが両親を心配し、頻繁に顔を見せるようになりました。診察にそろって立ち会うことも珍しくなく、私たちにとっても心強い存在でした。
「今後もご自宅で、ご両親お2人で生活される予定ですか?」(私)
「まだ決めていませんが、両親にはここを引き払ってもらい、私か兄の近くに住んでもらおうかと。やはり近いほうが安心ですから」(弟)
「でも、両親の希望が最優先です。この間から両親が携帯電話を使えるようになり、安否確認をできるようになりました。私たちから定期的に両親へ連絡するようにしようと思っています」(兄)
自分たちの生活を最期まで大切にし、尊厳を守りながら生きていきたい──。そんな素朴で切実な患者さんの思いがあります。そして、その思いを支えようと懸命になるご家族の気持ちがあります。
私たち在宅医療スタッフの大切な役割は、そうした思いに寄り添いながら、そっと支え続けることなのです。



















