著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「麻酔」を実施する際は事前の診察と準備が重要になる

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 麻酔は年齢や基礎疾患といった患者背景、手術内容に合わせて行われます。そのため、麻酔は事前の診察と準備が重要です。心臓、肺、腎臓などの持病や、これまでにかかった病気(既往歴)、喫煙や飲酒の習慣、歯の状態、その時点での体調など、さまざまなことが麻酔の計画に影響します。そこで、血液検査、心電図、胸部レントゲンなどの検査を行って全身状態を確認し、必要に応じて対策をしていきます。クスリも例外ではなく、場合によっては普段使っているクスリを一時的に休むこともあるので、主治医や麻酔科医の指示に従うようにしましょう。

 麻酔は「かけたら終わり」ではありません。麻酔科医は、血圧、脈拍、呼吸、酸素の状態などを細かく見ながら、手術中もクスリの量を調節するなどして体の状態を安定させていますし、手術が終了すると麻酔薬を減らしていき、意識が戻り、呼吸状態が安定していることを確認して回復を進めます。なお、手術後の痛みは麻酔が切れてから一気に来ることもあります。そのため最近では、手術中から鎮痛薬の投与や神経ブロックを組み合わせることで、術後の痛みをあらかじめ抑えておく工夫も進んでいます。

 こうした多くの“見えない支え”があるからこそ、われわれは安心して手術などの治療を受けられるのです。次回は、麻酔薬の副作用やリスクについて説明します。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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