著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

米国のヘグセス長官が兵士へホルモン検査…男性優位社会への第一歩か

公開日: 更新日:

 また、女性や黒人を含む軍幹部の解任や昇進阻止が相次ぎ、軍上層部が白人男性中心に再編されているとの批判も出ています。

 こうした背景から浮かび上がるのは、「テストステロン値の高い強靱な肉体こそが、優れた兵士に必要だ」という、極めて男性的な強さのイメージです。この価値観は軍だけにとどまりません。トランプ大統領は2026年6月、アメリカ建国250年を祝うイベントとして、ホワイトハウスで総合格闘技大会を開催しました。

 大統領自身も肉体的に強い男性を繰り返し称賛し、「強い男」と「強い国家」を重ね合わせてきました。逆に、フェミニズムやLGBTQの権利を支持する男性は、「弱い」「低テストステロンの男」と描かれることがあります。テストステロンは保守政治において、強さ、支配力、闘争心、国家への忠誠を示す象徴になりつつあります。

 今回の「高テストステロン軍」構想は、古い男性優位社会の力関係を、まず軍隊から取り戻そうとする政治的な実験にも見えます。

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