【鳥藤】鶏の総合デパート
東京・築地を拠点とする日刊ゲンダイが毎週末、地域密着型の粋な情報を紹介する「築地新聞」。第86号は築地場外の鶏といえば、ここ。
朝4時から8時半ごろまでは“戦場”だ。全国各地から1日何トンもの鶏を仕入れ、さばき、納品先ごとに梱包する。となれば、店内が繁忙になるのも当たり前。場外に数ある店の中でも一、二を争う賑わいを見せるのは鶏肉卸の「鳥藤」さんです。
初代の鈴木藤吉さんが始めた鳥料理屋だから「鳥藤」。1907年、浅草六区界隈で産声を上げました。関東大震災で東京は火の海と化しましたが、鳥藤も例に漏れず。店が焼失したことをきっかけに新たな商機を求め、魚河岸の移転と時をほぼ同じく、ホームグラウンドを移したそうです。
銘柄鶏、地鶏、ブロイラーと多種多様な鶏を、丸鶏のまま、あるいは部位ごとに仕入れ、あらゆるお客のニーズや用途に応える「鶏の総合デパート」。高い鶏だからグー、安いからノーなんて簡単な商売は致しません。