高齢者の生活保護過去最多 「下流老人」の著者が将来に警鐘
貧困の高齢者が増え続けている。厚労省の発表によると、昨年10月に生活保護を受給した世帯は前月より2723世帯増えて163万2321世帯になり、2カ月連続で過去最多を更新。その内訳は、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯)が80万2492世帯で約半数を占めている。若い世代の受給者が減少しているのに対し、高齢者世帯が全体を押し上げている状況だ。
「下流老人」の著者でNPO法人「ほっとプラス」代表理事の藤田孝典氏はこう言う。
「預貯金を使い果たした高齢者が生活保護費を受給しはじめている状況です。国民年金だけでは、とてもじゃないが生活できない。年金制度が破綻していることを表しています。団塊の世代はまだ踏ん張っていますが、あと5年、10年が経ち貯金が底をつけば、一気に生活保護になだれ込んでくる可能性が高い。その前に家賃補助制度などの政策を打ち出さないと大変な状況になると思います」
今の日本では、誰もが突然、下流老人に転落する可能性が高い。
老親の介護が必要になったら、介護施設への費用も発生するし、施設に入居できなければ会社を辞める必要も出てくる。息子や娘に頼ろうにも、非正規雇用が増え、むしろ面倒をみなければいけないケースも多い。熟年離婚にでもなったら、受け取れる年金は半分だ。どんな人が下流老人になりやすいのか。