客離れ深刻…デパート店員も不安な百貨店の「爆買い依存」
「『爆買いでまだまだいける』と楽観的な上司を見ていると、大丈夫なのかな? と不安になります」――都内の30代女性デパート店員はそう漏らす。
前年比0.2%マイナス。日本百貨店協会が18日に発表した全国百貨店の昨年の売上高は6兆1742億円と、4年ぶりに前年を下回った。
一方、訪日外国人客数は2.6倍の約250万人、売上高も2.6倍の約1944億円とインバウンドは絶好調……といえば聞こえはいいが、全体ではマイナス、要するに「爆買い」頼みというわけだ。
売り上げ好調なのは、化粧品(前年比12.5%増)や美術・宝飾・貴金属(同8.0%増)で、いずれもリッチな外国人相手のもの。
「暖冬のせいもありますが、主力の衣料品は振るわず、とりわけ婦人服は4%もマイナスです。爆買いブームの裏で、国内の中流以上のOL層、主婦層の百貨店離れがどんどん進んでいる。今の百貨店業界は行列ができる飲食店と同じ構図です。雑誌に掲載され、急に行列ができると、そのせいで常連客は離れていってしまう。ブームが去ったら閑古鳥……。百貨店も品ぞろえなどで他店と差別化を図るなど、地道な努力でOLや主婦をつなぎ留めておかないと、いずれしっぺ返しを食らいますよ」(大手百貨店関係者)