あとで非を認める思考回路…権力者は逃げ切れるケースも
謝れない人の中でも厄介なのが、なかなか非を認めない人だ。まずは否定し、決定的な証拠が出るまで事実を認めようとしない。犯罪者や政治家、官僚によく見られるタイプである。
その最たるものが安倍首相だろう。腹心の友が理事長を務める加計学園の獣医学部新設に関して、いまだに便宜を図ったことを認めようとしない。「獣医学部の新設を申請していることは知らなかった」「秘書官からも聞いてない」――だれもがウソだと疑う弁明を恥ずかしげもなく言い放つのだ。
彼はいまだに非を認めていない。それができるのは、明らかに疑わしい言い訳に対し、トンデモ発言でフォローする手下がいるからだ。愛媛県の文書に首相と加計孝太郎理事長が面会したという記載があれば、加計学園の事務局長が「私が間違って言いました」と援護射撃。いやしくも教育に携わる人間が、堂々と開き直り、あり得ない説明で取り繕うのだ。
おかげで手下たちは、親分の身代わりとなって、非を認めざるを得ない状況に追い込まれる。愛媛県や今治市の職員に会ったことを否定していた柳瀬唯夫元首相秘書官は、参考人招致の際に、「加計学園の関係者と面会したときにいたかもしれない」と釈明した。これで国家の中枢で政策を立案しているというのだから驚く。