手塚治虫の単行本の表紙原画 著者遺族のものか出版社か?
マンガを美術品として取り扱うための障壁を考えるとき、そもそもマンガの原稿は誰のものかという問題に突きあたる。
鳥山明にサイン会で書いてもらった色紙。これは売買していいだろう。しかし、手塚治虫の単行本の表紙の原画。これはそもそも誰のものだろうか? 著者の遺族? 出版社? 編集者?
2003年には漫画家たちが「漫画原稿を守る会」を発起して、編集者や古書店などを訴え、問題に一石を投じた。
たしかに原稿を著者の許可なしに売買することは、昔はまだしも現在は難しい状況である。
同じ頃に起きた村上春樹の生原稿流出事件も、古書店の常識を変更しなければならなくなった。
すると、美術商が扱える主な物は、ファンにあげた物、売った物に限られ、どうしても迫力に欠けるものになる。