フードロス減らそうと「夜のパン屋さん」をオープン 料理研究家・枝元なほみさんの思い
東京メトロ東西線・神楽坂駅からすぐの書店「かもめブックス」の軒先には、毎週火・木・金曜日の19時になると、テーブルにズラリとさまざまなパンが並ぶ。「夜のパン屋さん」のオープンだ。仕事帰りの人や近所の人が集まり、次々と手に取っていく。
夜のパン屋さんは、「フードロスを減らしながら雇用の機会をつくる」ことを目的としている。発起人は、生活困窮者支援を行う認定NPO法人ビッグイシュー基金の共同代表であり、料理研究家の枝元なほみさん。夜のパン屋さんの運営元は有限会社ビッグイシュー日本となる。枝元さんに、オープンまでの経緯や運営について聞いてみた。
「夜のパン屋さんは、食をテーマにして、新しい仕事づくりをやってみたいという思いからスタートしました。オープンは2020年10月。新型コロナウイルス感染が始まった年で、職を失ったり収入が減少したりする人が急増する中で始まりました。食べるものに困る人がいる一方で、フードロスが社会問題になっている。そこで、その日売れ残ってしまいそうな商品をパン屋さんから買い取り、販売できればと思ったのです」