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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

裏口入学はなくなったのか? 社会を驚かせた2018年の東京医科大「不正入学」事件

公開日: 更新日:

■ルートはさまざま…罪悪感が薄い大学教授

 裏口入学のルートはいろいろ。S局長のケースで仲介したのは医療コンサルタントだが、こうしたブローカーが暗躍するのはまれ。多くは大学関係者や同窓会幹部を通じて、大学当局と保護者がコンタクトをとる。交渉は1次試験と2次試験(面接や小論文等)の間に行われることが多い。点数が合格に足りなかったので、寄付金をこれだけ出してほしいと額を示すのだ。

 2~3点のために数千万円が動くこともあるという。

「私大医学部はどこも経営が苦しく、寄付金頼み。それを個人がポケットに入れるわけではないので、交渉にあたる教授ら大学幹部にとっても罪悪感はほとんどない。本当は1次試験の点数だけで合否を判定すべきなのでしょうが……」(同)

 こうした不正がまかり通ってきた背景には、私大医学部特有の事情がある。受験者は複数の大学を併願するのが普通で、1次試験の合格者がそのまま入学するわけではないからだ。結局、学校側としては正規合格以外にたくさんの補欠合格を出す必要があるのだ。

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