野良猫の減少に思うこと…「地域猫」の広がりの一方で、生粋の日本猫はどんどん減っていく

公開日: 更新日:

 動物愛護管理法で飼いネコは避妊、去勢が推奨され、増やすことは控えて終生飼育が前提です。「地域猫」という“ペット”は、野生でも飼い猫でもない微妙な立場ですが、“ペット”に近い存在になったことから、地域で終生飼育するという都合のよい解釈となっているのではないか。個人的にはそう思います。動物愛護法の中に、野良猫を増やさないということは、うたわれていませんから。

■野良猫の減少は人災

 その谷根千エリアの親友の話では、野良猫の避妊、去勢を自治体の請け負いで数多く担当したベテラン獣医師もいるといいます。野良猫が減るということは、生粋の日本猫が減少するということで、決してよいこととは思えません。私は、この減少は人災だと思います。人の生活環境の都合で野良猫が少しずつ減っているのです。

 そんな状況を反映しているのか、それとも憂えているのか、野良猫が元気に生活する姿を投稿するSNSが人気で、そんな地域の中には観光客の誘致につながっているところも出てきています。そろそろ全国の市町村、地域で行われている野良猫の避妊、去勢の推奨や助成事業はやめてもよいのではないでしょうか。

 (カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情