野良猫の減少に思うこと…「地域猫」の広がりの一方で、生粋の日本猫はどんどん減っていく
動物愛護管理法で飼いネコは避妊、去勢が推奨され、増やすことは控えて終生飼育が前提です。「地域猫」という“ペット”は、野生でも飼い猫でもない微妙な立場ですが、“ペット”に近い存在になったことから、地域で終生飼育するという都合のよい解釈となっているのではないか。個人的にはそう思います。動物愛護法の中に、野良猫を増やさないということは、うたわれていませんから。
■野良猫の減少は人災
その谷根千エリアの親友の話では、野良猫の避妊、去勢を自治体の請け負いで数多く担当したベテラン獣医師もいるといいます。野良猫が減るということは、生粋の日本猫が減少するということで、決してよいこととは思えません。私は、この減少は人災だと思います。人の生活環境の都合で野良猫が少しずつ減っているのです。
そんな状況を反映しているのか、それとも憂えているのか、野良猫が元気に生活する姿を投稿するSNSが人気で、そんな地域の中には観光客の誘致につながっているところも出てきています。そろそろ全国の市町村、地域で行われている野良猫の避妊、去勢の推奨や助成事業はやめてもよいのではないでしょうか。
(カーター動物病院・片岡重明院長)