「配達員が自由に出入り」炎上騒動…改めて突きつけられたオートロックマンションの防犯・再配達問題

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 そのため民間企業はすでに「配達員本人確認」や「荷物情報との照合」「一時的解錠」「ログ記録」を組み合わせたシステムを開発し、全国で2万棟を超えるマンションに導入している。

「誤解されていますが、こうした仕組みは配達員を自由に出入りさせるものではありません」とシステム開発会社の関係者は語る。従来の暗証番号式やインターホン式オートロックは、誰がいつ入館したかの記録が残らない。むしろ、ログが残り、用途限定で開錠されるシステムの方が防犯性は高い。実態としては誰がマンション内に入館したかを管理する仕組みに近いという。国交省も「防犯・セキュリティーは大前提」と繰り返す。

 もっとも、ログが残る仕組みも万能ではない。住人や配達員の後ろに第三者が入り込む「共連れ」(ともづれ)は依然として防げず、侵入者の情報が記録されることはない。実際、今年9月にも東京都世田谷区で韓国女性が交際相手に殺害される事件が起きたが、容疑者は住民の後ろにつく「共連れ」でオートロックをすり抜けていたと報じられる。

 結局は技術の導入に加え、住民同士が周囲を確認し合うなど、意識面の補強が欠かせない。

 一連の動きの背景には、再配達削減とマンションのセキュリティー強化を同時に進めようとする政策的な狙いがある。思わぬ形で炎上したが、誤解が広がった今だからこそ、冷静な議論が求められる。

ニュースライター・小野悠史)

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