著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

5月1日に秋篠宮夫妻が京都の泉涌寺に…“神道”信仰の皇族と「菩提寺」

公開日: 更新日:

 これによって、泉涌寺は皇室の菩提寺となり、「御寺」と呼ばれるようになった。境内には霊明殿という建物があり、そこには天智天皇から昭和天皇までほとんどの天皇の位牌が祀られている。

 ただし、明治に時代が改まると、政府は神道を「国家の宗祀」と位置づけ、神仏分離をはかる。それによって、皇室の信仰も神道が中心になり、宮中からは仏教に関係するものが撤去される。それまで宮中では、歴代天皇の位牌を「お黒戸」と呼ばれる仏間で祀っていたが、それが泉涌寺に移され、霊明殿に位牌が安置されるようになった。

 明治に入って、天皇は京都から東京に移り、皇居には宮中三殿が設けられて、宮中祭祀が営まれるようになる。当初の段階で、政府は、皇室から仏教の信仰を排除することに力を注いだため、もともと出家した経験があり、仏教の信仰を持っていた山階宮晃親王が亡くなった際、遺言で仏教式の葬儀を望んだにもかかわらず、それは許されなかった。ただ、こっそりと関係者が仏教式の葬儀も営んでいる。

 その後、そうした厳格な姿勢は緩和されるようになり、天皇や皇族が泉涌寺を訪れることも珍しくなくなった。秋篠宮夫妻が御遠忌の法要に泉涌寺を訪れたのもそのためで、そこには皇室が現在でも仏教の信仰と無関係でないことが示されている。

  ◇  ◇  ◇

 女系天皇の議論が進まないのはなぜか?●関連記事【あわせて読む】『議論進まぬ女系天皇論 保守派の「皇位の継承は126代のわたって男系で継承されてきた」は事実に基づかない主張』…で、島田裕巳氏が解説している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    Snow Man佐久間大介が城西国際大学メディア学部映像芸術コースで培った“強力な武器”

  2. 2

    長崎平和式典で注目 国光文乃外務副大臣の「黒歴史」…高市首相の傲慢ヨソに「非核三原則」堅持明言

  3. 3

    高市首相が長崎被爆者団体に“ガン飛ばし”で大炎上! 会長あいさつ「戦争知らない」に過剰反応?

  4. 4

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  5. 5

    松本若菜“シャイニング顔”で奮闘も…「君の好きは無敵」視聴率4.3%からの反撃を阻む“アラ還コンビ”

  1. 6

    玉川徹、橋下徹、杉村太蔵、カズレーザー…いま一番視聴率が取れるコメンテーターは誰?

  2. 7

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 8

    霞ケ浦“春高バレー指揮官”高橋監督「今から他競技でも県ベスト8は狙えます。部活動の指導は組織づくり」

  4. 9

    萩本欽一〈36 〉茨城GGを創設して野球界に乗り込んだ理由は長嶋茂雄さんとの2人きりの会話

  5. 10

    松村北斗「告白」で“一番の演技派”に王手! イケメンだから許される“ストーカー役”で証明した伸びシロ