著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

医学部に進学した息子のために老後破産したエリートサラリーマンの懺悔

公開日: 更新日:

念願の医学部に入学した息子、しかし…

「息子は現地のインターナショナルスクールに入れました。あの頃から、妻はなんとなく違う人間になっていったというか。妻はいずれ息子を医者にするのだと、帰国後の受験に備え、家で自ら勉強を教えていました」

 10年ほどの駐在期間を終えて帰国してからも、妻の息子への教育熱は続いた。

「帰国した時、息子は高校生になっていたのですが、二浪の末に私大の医学部に入りまして」

 念願の医学部合格に湧いたBさんと妻。ところが入学後に暗雲が立ち込める。

「息子の大学は医師の子女ばかりで、ウチのようなサラリーマン家庭の出身者は少なく、彼は浮いてしまったようです。息子はうつ病を発症し、入学2年目で休学、外出もできなくなってしまいました」

 いずれ復学できるだろうと、Bさんは息子の休学中も学費を払い続けた。

 Bさんの妻も、息子を復学させるために手を尽くし、国内の精神科医だけでなく海外の有名医師も頼り、息子を元の精神状態に戻そうと躍起になったという。

「世界的に有名な精神科医にも診てもらいました。これがバカみたいに高かった。さらに海外への渡航費や滞在費にも相当お金がかかったらしく…」

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