「仁淀川蒸留所」山崎祐大氏は独学でウイスキー造り「メード・イン・高知で世界を目指す」
梅の商品開発の研究者が、会社のウイスキー事業の立ち上げをきっかけに1年間独学で製法を学び、海外のコンテストで数々の賞に輝き、国内外で高い評価を得た。2024年、生まれ育った地元・高知に妻とともにUターンし、今年3月、コンテナ造りの「仁淀川蒸留所」を設立。35歳気鋭のブレンダーは、その透明度の高さから「仁淀ブルー」と呼ばれる清流の伏流水で新たなウイスキー造りに挑んでいる。
◇ ◇ ◇
■自己資金ゼロからの出発
──なぜ仁淀川に蒸留所をつくろうと思ったのか。
地元に帰りたくて、やるなら仁淀川の最上流がいいなと。高知県の移住説明会で「ウイスキーの蒸留所をやりたい」と相談したら、仁淀川町の当時の副課長が「立ち上げまで2年間、地域おこし協力隊の制度で来てくれれば給料出せるので」と空いている家を案内してくれました。「この人がいるんだったらこの町で」と思い、移り住みました。
──場所選びは。
古民家はどこも改修をするのに約3000万円かかる上、木造の建物は面白くない。そこで町にあったコンテナのレストランのオーナーに「コンテナでやりたいです」と打ち明けたところ、「僕がコンテナ売ってやるからやったらいい」と、建ててもらいました。土地も地域おこし協力隊の仲間が「僕が持っている土地でやれへんか」って声をかけてくれました。
──開業資金はどう工面したのですか。
自己資金ゼロで経営の経験もなく、計画書の存在すら知りませんでした。手ぶらで高知銀行を訪れ、「蒸留所をつくりたくて1億円貸してほしい」とお願いしたら、担当者が「めちゃくちゃ面白いですね」って興味を示してくれ、マンツーマンで全部書いてくれました。口頭で「50個ぐらい賞を取っています」と説明して変なお酒を造る人物ではないことを伝えたら、貸してくれました。

















