<4>妻の希望は「駅近の利便性」だが…自宅の安さに比べ中古マンションの価格に仰天
埼玉県の熊谷市郊外で築40年の古い一戸建てに住む遠井安男(仮名)。老後の安心・安全を考え、バリアフリー改修、平屋への建て替えを検討したが、妻の不満などから断念。駅前の便利な場所に中古マンションを買えないかと動き出した。
まずは相場を知っておこうと、駅前の不動産屋を訪問してビックリ。いま住んでいる築40年の住まいの査定額が700万円ほどに下がっているのだから、中古マンションの値段も下がっているだろうと期待していたのだが、とんでもない。安くなっているどころか、むしろ高くなっているように感じる。
<図表>にもあるように、首都圏の中古マンション価格はこの1年で6.5%上がっており、埼玉県西部などはそれ以上の15%もアップしているのだ。
退職金などの蓄えから、万一への備えを除いて購入に充てられるのは1500万円ほど。それに、現在の家の売却代金を加えても、2200万円。仲介手数料や諸費用などを考えると、購入に充てられるのは2000万円が精いっぱいだ。
その範囲で買えそうな、駅近の2DKや2LDKを紹介してもらったが、どれも外観は古めかしく、外壁に亀裂が入っていたりする。しかも、不動産会社の担当者によると、「内部もかなり傷んでいるので、そのリフォーム費用も考えておく必要がある」とのこと。それでは間違いなく予算がショートしてしまう。