61歳で初のマイホーム…よーし、準備万端! のはずでも尽きぬ不安
住宅ローン編(10)
都内の医薬品メーカーを定年退職、再雇用で働きながら、初のマンション購入を決めた松野雄志(仮名)、61歳。できるだけ無理のない資金計画を立てたつもりだが、それでも60代だけに不安は尽きない。
松野は5000万円の2DKマンション購入のため、退職金や預金で3000万円の自己資金を用意。残り2000万円はローンの15年返済を利用する計画だ。
住宅ローンのなかでも一番金利の低い変動金利型を利用する。金利上昇のリスクのない固定金利型は安心だが、金利が1%前後かそれ以上と高め。それに対して、変動金利型は1%未満。信用力のある人なら0.2%台、0.3%台で利用できるところもある。
再雇用の身分の不安定さもあって、松野には0.5%の金利が提示されているが、それでも毎月返済額は11万円台ですむ。あと数年の再雇用期間中はまったく問題ないし、健康には自信があるので、その後も何らかの形で働いて収入を得たいと思っている。仕事ができなくなっても、11万円台なら年金で何とかなりそうだし、最悪の場合、手元の預金2000万円を取り崩していけばいいだろう。