「メキシコ」が投資先として魅力を増す 中国から生産拠点を移す動きが加速
ロシアによるウクライナ侵攻で米中摩擦の行方が注目される中、生産拠点を中国から移転する動きが活発になっているようだ。米国の著名投資家レイ・ダリオ氏は日本経済新聞(1月18日付朝刊)のインタビューで「中国からメキシコに生産拠点を移す動きが加速している」と答えている。「中国よりも安く生産でき、米国にも輸出しやすい」のがメリットだという。
その傾向は日系企業にもみられる。ジェトロ(日本貿易振興機構)が米国やメキシコに進出する日系企業を対象に調査したところ、中国からメキシコへ調達先や生産地を移転する傾向がわかった。また、今後中国からの調達を見直すと回答した41件のうち、変更後の調達先は米国が1位でメキシコは2位だった。
メキシコが生産拠点としての地位を固め、経済が発展すれば、投資先としての魅力も増す。運用資金の一部を振り向けるのもおもしろいかもしれない。
ただ、日本からメキシコの株式に投資する方法はまだ少ない。その一つ「iシェアーズ MSCIメキシコETF」は、メキシコの株式市場全体の値動きに連動する商品だ。過去の値動きを見るとコロナショックで40%ほど下落したものの、20年末にはコロナ以前の水準まで回復し、その後、約40%上昇(分配金再投資)している。中国株ETF「iシェアーズ 中国大型株ETF」のリターンがコロナ以前の水準と比較し▲約20%(同)であることを考えると差は大きい。前述のメキシコ株ETFはネット証券などで購入可能。