「もの言う株主」に狙われる親子上場銘柄には投資妙味もある

公開日: 更新日:

 10月17日、英国のアクティビスト(もの言う株主)であるパリサー・キャピタルが、京成電鉄に対し保有するオリエンタルランド(OLC)株の一部を売却するよう要求していたことが明らかになった。東京ディズニーリゾートを運営するOLCは、京成電鉄の本業との相乗効果が薄く、事業投資などに生かされていないと指摘した。翌18日、資本効率の改善や売却後の株主還元への期待から京成株は買いを集め、一時前日比433円(8.5%)高の5537円まで上昇し、11月6日には年初来高値(6459円)をつけた。

 京成はOLC株を22%所有する筆頭株主である。その京成の時価総額は足元で1兆円だが、OLCは9.2兆円もあり、完全な“ねじれ親子企業”なのだ。冗談だが、どこかの企業が京成を1兆円で買収すれば、2兆円分のOLC株が手に入ることになるわけで、笑うに笑えない話である。

 こうした時価総額のねじれは、親子上場が多い日本企業特有の現象。堀江貴文氏が2005年にニッポン放送株を取得することでフジテレビへの影響力増大を狙った「ライブドア事件」も、筆頭株主だったニッポン放送の時価総額がフジテレビよりはるかに小さいというねじれを突いた戦略だった。
<表>は、ねじれが生じている親子企業だ。

 今回の京成のようにアクティビストが子会社株売却や経営改善を要求してくることが大いに予想される。つまり、投資妙味ありだ。先回りして親会社株の取得を検討してみてはどうだろうか。 (丸)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁