著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ダイハツ工業(下)不正が行き着く先は…軽自動車再編へスズキと統合か

公開日: 更新日:

 経営陣の国際感覚のミスマッチはグローバルに展開するトヨタにとって、はなはだ不都合である。白水氏の処遇に注目が集まった。

 05年6月、白水氏はダイハツ工業会長に天下りした。白水氏がダイハツで真の権力を確立したのは07年。軽自動車のトップシェアを34年間守ってきたスズキを抜いて初の首位に躍り出た時だった。07年はダイハツの創業100周年の節目の年だった。

 11年が最大の転換点となった。ホンダが広い室内を売り物にした「N-BOX」を発表して軽に本格参入してきた。迎え撃つダイハツは、従来の車の半分のわずか18カ月の開発期間で「ミライース」を送り出して対抗した。

「ミライース」のように、短期の開発期間でヒットするクルマをつくり上げたことが白水氏の最大の遺産だ。

 だが、皮肉なことに短期開発に突き進む動きに呼応するかのように不正が14年以降に急増する。

「白水“天皇”がつくった体制と成功体験が、不正が生まれる土壌になった」とする現役社員の告発が、メディアにあふれた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    「地球を救う前に社員を救ってくれ!」日テレ「24時間テレビ」が大ピンチ…メインスポンサー日産が大赤字

  4. 4

    仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で「斎藤元彦陣営ボランティア」だった

  5. 5

    たつき諒氏“7月5日大災害説”を「滅亡したんだっけ」とイジる古市憲寿氏に辛辣な声が浴びせられる理由

  1. 6

    参政党・神谷代表は早くも“ヒトラー思想”丸出し 参院選第一声で「高齢女性は子どもが産めない」

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    「国宝級イケメン」のレッテルを国宝級演技で払拭 吉沢亮はストイックな芝居バカ

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  5. 10

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策