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重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

医療脱毛大手「アリシアクリニック」破産…債権者数9万人超の前途多難

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 しかし、過大な広告宣伝費などが重荷となり業績が悪化。利用者増を狙って打ち出した低価格戦略もアダとなり、23年4月期には美実会が最終赤字に転落。最近は「資金繰りの逼迫も囁かれていた」(美容業界筋)という。負債総額は2法人合わせて124億7133万円。

 従業員約1500人は10日付でひとまず全員解雇され、事業も停止した。

 問題は「果たしてスポンサーが見つかるかどうか」(金融関係者)だろう。支援企業が現れれば債権の一部は引き継がれる可能性があり、顧客は多少なりとも救われる。事業再開も視野に入り、従業員再雇用の公算もなくはない。

 だが、その実現性は極めて薄そうだ。法人側はホームページなどで、前払い利用料を現金で支払った顧客に対し「(未施術分の)返金は困難」などと通告。クレジットカード払いの顧客に対しても「カード会社と直接交渉」するよう突き放しているからだ。顧客はお金も返らず、やり残した施術も受けられないまま見捨てられるわけだ。

 まさに踏んだり蹴ったり。「アリシア」の背負った“罪”は限りなく重い。

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