大阪万博は値下げ連発で赤字まっしぐら…今度は「駐車場料金」を割引、“後手後手対応”の根本原因とは
しかし、やみくもに値下げなどの措置を行うと、その分だけ実入りは減る。
万博協会の石毛博行事務総長は12日の会見で「P&Rの運営費は88億円かかるという見込みをしている。収入が追い付かなければ、赤字になる」などと話し、料金値下げに慎重な姿勢をみせていた。
建築エコノミストの森山高至氏は「万博協会が場当たり的な対応しかできないのには理由がある」と、こう続ける。
■USJでさえ年間来場者数は約1600万人なのに…
「会場建設が遅れに遅れ、事前にさまざまな問題点を検証する時間がなかった。だから、P&Rの利用が伸び悩むといった事態の想定もできなかったと考えられます。そもそも、万博協会が掲げる会期中(約半年)の来場数2820万人の想定も、無謀な数字でしょう。近所にあるテーマパークのUSJでさえも、一昨年の来園者数は年間で約1600万人なのですから」
万博の最終的な収支が赤字になった場合、税金など公費で負担することも議論されている。このまま、むやみに値下げ戦略に突っ走れば来場者数こそ水増しできるが、収支の悪化は避けられない。