スコッチグレイン 廣川雅一社長(1)靴底を接着剤で貼り付けるのではなく縫い付ける“一生もの”を低価格で提供
「きちんと手入れしながら複数の靴をローテーションして使ってもらえば、一生ものになります」
一生ものの靴が4万円弱で手に入るのなら、決して高くはない買い物ではないだろうか。
そんなスコッチグレインの靴を手がける廣川氏は1956年、ヒロカワ製靴を創業した父、悟朗氏の長男として、台東区橋場で生まれた。
かつて浅草には、靴や履物を扱う店が、数多く並んでいた。
「そのため橋場など浅草の周辺には、靴の製造業者や問屋、材料業者が集まっていました。近所の知り合いも、家業は靴屋という家ばかりでした」
廣川氏の父も工場兼自宅で靴づくりに励んでいたため、いつも働いている父の姿を、身近に見て育ったという。
「裏の白いチラシに、何枚も靴のデザインを描きためていたのを覚えています」
いつか父の跡を継ぐのかなと、漠然と感じていたという廣川氏。父親の血を引いたのか、絵を描くことも好きだったため、地元の小学校、中学校を経て、東京・駒込にある私立本郷高校のデザイン科に進む道を選んだ。