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中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

インドネシア加盟でBRICSは世界のGDPの約40%に…トランプ関税に狙い撃ちされる

公開日: 更新日:

 ベッセント米財務長官は7月8日の閣議で、25年に入ってからの輸入品への関税収入が約1000億ドルに達したとし、25年通年では「3000億ドルを大きく超える可能性がある」とし、米議会予算局(CBO)は今後10年間の関税収入が計約2.8兆ドルと試算したが、ベッセント氏は「この金額はおそらく実際より低いと思われる」との見解を示した。

■「8月1日から大金が入るようになる」

 米財務省が発表した5月の関税収入は月間として過去最高の228億ドルと前年同月(62億ドル)の4倍弱に膨らんだ。トランプ大統領はビジネスマンらしく「8月1日から大金が入るようになる」とした。

 大企業が関税回避で米国に工場進出すれば、法人税などの税収が増え、個人消費も増える。すでに巨大なITや半導体の企業も米国で空前の投資を決定しており、米国に国内完結型のサプライチェーンが構築されれば、財政収支も好転とまさに「一石三鳥」である。

 日本では今月下旬から4~6月期決算発表が本格化する。企業は8月を控えて米国への駆け込み輸出を増やすだろう。7月20日に参議院議員選挙の投開票日を迎えるが、日本の政治は対米国で迷走するだろうか。

 7月30日のパナソニックホールディングスや8月7日のトヨタ自動車など製造業の四半期決算発表に注目したい。

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