とうとう1ドル153円台の猛烈円安…「高市トレード」で外国人だけがウハウハという大矛盾
■安倍路線継承の壮大なマッチポンプ
高市トレードで過度な円安基調が続けば、インバウンド市場は一段と活気づく。8日は権威ある旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」(米国版)が2025年版の「世界で最も魅力的な国」を発表。日本が3年連続1位に選ばれた。コスパ最高の「安い日本」を目指し、ますます外国人観光客が押し寄せてくる。オーバーツーリズム問題がさらに顕在化し、あえて高市の真偽不明の言説を引き合いに出せば「奈良公園の鹿が蹴られる」心配は増すのだ。
「サナエノミクスはアベノミクスの焼き直し。いわゆる“外国人問題”とは相いれない政策です。しかも安倍元首相が『円高是正』と『デフレ克服』を訴えた頃と異なり、いま必要なのは『行き過ぎた円安是正』と『インフレ退治』。タイミングもアベコベで、物価高に苦しむ日本人の暮らしを犠牲にし、外国人に媚を売るようなもの。高市氏が唱える『外国人対策の強化』とは大いに矛盾します」(斎藤満氏)
声高に「外国人はけしからん!」と叫ぶなら、アベノミクスの否定がスジ。成長戦略に「観光立国」を掲げ、30年までにインバウンド6000万人の政策目標を設定したのも安倍だ。安倍路線継承で外国人天国の円安を放置。それでも排外主義をあおるのは、壮大なマッチポンプでしかない。
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