元テレ東・高橋弘樹×元横浜DeNA・高森勇旗「見込みのない新規事業の止め方」…虚栄心で突き進む社長を誰が“殺す”のか?

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月次P/Lを黒字にすることの重要性

高森 限られた予算のなかからマーケティング費用をどう効果的に使っていくかは、まさにマーケッターの腕の見せどころですね。ただ、基本的にマーケティングの力で注目を集め、あとで利用者に課金させるやり方は、個人的にはあまり好きではありません。それで本質的にユーザーを増やせるとは思っていないからです。マーケティングより、着実にP/L(損益計算書)で儲かっている状況をつくっていくほうが大事ですね。別に立派なオフィスを借りなくても、普通のマンションの一室でいいという感覚です。僕はベンチャー起業家には、「月次P/Lを黒にするところから始めてください」とよく言います。たとえマーケティングで失敗して損失を出したとしても、月次は黒字だから大丈夫と言えるぐらい地に足が着いていると、たいがいマーケティングもうまくいきます。

高橋 高森さんのいまの話に、僕も賛成です。「ReHacQ(リハック)」で、ひとつ決めていることがあります。それは、とりあえずマーケにお金を使わないというのを徹底すること。「NewsPicks(ニューズピックス)」や「PIVOT(ピボット)」はかなり広告を打っていて、たしかに広告が表示されるたびにチャンネル登録者数は伸びていきます。ではなぜ、「リハック」は広告を打たないようにしているのか。それはやはり、地に足を着けて事業をするのが大事だし、結局マーケは成長の“先食い”だと思っているからです。そのために必要なのは、本当にいいものを着実に出していくことでしょう。もちろん、僕がやっている事業がメディア分野で、人に知られやすい仕事だからこういう考えでできる、というのもあると思いますが。

高森 広告をバーンと出しているスタートアップなんて、事業がうまくいっているように見えるじゃないですか。でも、その会社の実際のP/LやB/S(貸借対照表)をチェックしてほしい。しばしば、とんでもないバクチをしていることがありますから。いくら資金調達をしている投資段階とはいえ、よく人様のお金でこんなことできるな、と思うときもありますね。

入山 でも、資金調達すると、やっちゃうんですよね。

高橋 株主が早く結果を求めますからね。マーケティングで成長を早めようとするやり方は、もう少し考えたほうがいいかもしれません。たとえば、1年以内に市場シェアをここまで取らないとライバルに追いつかれるからやろうといった感じで、きちんと戦略を立てたうえで、具体的な目的を目指すのであれば、やってもいいとは思いますが。

入山 僕は日本の大手、中堅を問わず、いろいろないわゆる“レガシー企業”を見ていると、投資で退くのが下手だなと思うことがよくあります。おふたりから見て、退くことを考えないぐらい突っ込んでいる会社が、日本のレガシー企業には少ないというような印象はありますか?

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