元テレ東・高橋弘樹×元横浜DeNA・高森勇旗「見込みのない新規事業の止め方」…虚栄心で突き進む社長を誰が“殺す”のか?

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新規事業を始める際の劣等感や邪念の功罪

入山 だとすると、見込みのない新規事業を“殺す”ときの見切りポイントは何だと思いますか?

高橋 それはもうセンスでしかないと思います。たとえば、織田信長はよくわからないタイミングで家臣を殺したり追放したり、社会的に抹殺したりしましたが、それは信長のセンスとしか言いようがないですよね。

高森 普通に考えれば、資本主義社会で事業や組織がいつ止まるかと言えば、それは資金が尽きるときです。ところが、急に融資が決まったり、資金調達できたり、たまにミラクルが起こります。ミラクルが起きるか否かの違いは経営者の熱意だと思います。その熱意がどこから来るのか。やはり、どうしてもこれを成し遂げたい、つくり上げたいという情熱が感じられないと人もお金もついてこないと思います。

高橋 ただ、熱意の正体といったときに、劣等感や虚栄心に引っ張られて始める新規事業は危険だとおっしゃっていますが、むしろ、劣等感が熱意の根源になっているパターンもあるのではないでしょうか。もちろん、劣等感でもいいベクトルのものと、ちょっとヤバいベクトルのものがあると思いますが……。

入山 高橋さんが「日経テレ東大学」や「リハック」を始めたときは、どんなマインドでしたか?

高橋 「日経テレ東大学」は、ちょっと遊びみたいな感覚でしたね。もちろん、やり始めたら入れ込んで全身全霊をかけてやるという意気込みでしたが。

入山 劣等感というか、ある種の“邪念”みたいなことからは始まっていないと。

高橋 いや、僕自身は邪念を常に持っていますね。僕は自分自身、経営者向きなのではないかと思っている部分があります。なぜなら、僕は背も低いし、大学受験にも失敗している、といったように人並みにコンプレックスがありますから。そこからのし上がろうとするなら、仕事の結果でモテ率に“確変”を起こすしかないという邪念があるんですね。

田ケ原恵美 私がいるスタートアップ業界には、それこそ資金調達をして大きく見せようとしても、内情はめちゃくちゃでいまにも潰れそうな会社もあります。また、サービスはいいし、代表の想いも強いけれど、まさに熱量が虚栄心のほうに向いている人もいますし。

入山 なるほどね。そうしたお金の使い方でいうと、たとえば、マーケティングのために予算をこれくらい使えば、これだけ回収できるだろうという見立てがあると思います。そこで大きく投資するのか、ちょっとアクセルを踏むのか。こうした見極めはどういうところが大事だと思いますか?

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