「一代年寄の国籍」めぐり続く白鵬と相撲協会の熾烈な“暗闘”

公開日: 更新日:

■「銀座にガラス張りの部屋を持ちたい」

 12年に不倫スキャンダルで退職した雷親方(元幕内春日富士)とタッグを組んで、「国籍に限らず、優秀な成績を収めたものには一代年寄を」という運動を企てたこともあった。過去の優勝後の一夜明け会見では、「銀座にガラス張りの相撲部屋を持ちたい」と話していたこともある。荒唐無稽に聞こえるも、それが出来るだけのタニマチがいるともっぱらだ。

 そうやって外堀を埋めて「国籍に関係なく、引退後は親方に」という流れをつくろうとしていたが、相撲協会は反応せず。それどころか、30回目の優勝後と今回、2回も理事長から「日本国籍でないと一代年寄は授与できない」と念を押された。

 白鵬の父親はモンゴル相撲の横綱の上、メキシコ五輪ではレスリング代表として初めてモンゴルにメダル(銀)をもたらした母国の英雄だ。それだけに息子の自分が国籍を変えることは難しい。

 相撲協会にとって、すでに自分たちの言うことを聞かない白鵬は面倒な存在になっている。外国籍のまま親方になられては、大相撲が外国人に乗っ取られかねないという危惧もある。

「今回の理事長発言も、『偉大な成績を残したのだから一代年寄を許してやれば』というムードが世間に流れる前に先手を打った形になった。協会も白鵬が帰化できないと踏んでいる」(前出の関係者)

 大記録に並んだ白鵬も、土俵外では死に体か。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”