江夏氏評価の金田がオリ流出 またも問われる阪神の育成力
■白仁田は阪神からオリ移籍で開花
メンタルに課題があるとはいえ、素材は評価されていた。15年キャンプのフリー打撃に登板した際には、大物OBの江夏臨時コーチが「投手は打たれたくない本能がある。そういう気持ちで投げていた金田が典型的」と名指しでホメた。前出OBが言う。
「メンタルに課題がある投手を育てるのは簡単ではない。だからこそ、球団の育成能力が問われるところ。金田はハングリー精神が旺盛で真面目な選手と聞いている。不調だった近年は一軍で投げたい、活躍したいと結果を求めすぎたのだろう。投球に集中できるように導くだけでも、変化が表れるかもしれない」
金田と同様、オリックスへ移籍(トレード)した白仁田(当時29歳)は、阪神では通算6試合で1勝しか挙げられなかったが、移籍初年度の15年は主にリリーフとして43試合登板、2勝2敗と一皮むけた。
環境が変わって活躍することはよくあるが、白仁田はオリックスでコーチとフォーム改造に取り組み、当時の森脇監督から「野球人生を懸けるつもりでやれ」と言われて奮起した。金田が新天地で開花すれば阪神の育成、指導力が問われそうだ。